エコテックス国際共同体

【INTERVIEW】FEILER

日本で絶大なファンを持つ
フェイラーを支える
ドイツクオリティとエコテックス®認証

日本で長年にわたり顧客の心を獲得してきたフェイラー(FEILER)。
その人気の秘訣とエコテックス®認証に裏付けられた品質へのこだわりを探るべく、生産国であるドイツと、圧倒的な販売数を誇る日本、それぞれのストーリーや想いとこれからの展望を取材してきました。

写真 左:Isabella Fritsch

Head of Marketing & Product Management, Ernst Feiler GmbH

写真中央:掛水 直司

住商ブランドマネジメント株式会社 フェイラーカンパニー 商品・マーケティンググループ
副グループ長 兼務 マーケティング部長

写真 右:Julia Shörner

Purchase, Ernst Feiler GmbH

【写真】FEILER【写真】FEILER

販売チャネルにより、
購買層に変化が見えてきた日本市場

日本にフェイラー製品を展開しはじめた時期や、その想いをお教えください。

フェイラーの日本展開は約50年ほど前からです。現在は、住友商事が親会社となり会社の状況も変わりましたが、旧モンリーブ社の創業者によるフェイラー商品とのヨーロッパでの偶然の出会いと、強い個人的な想いからスタートしています。
われわれは、展開当時からのファンの方々や、フェイラーの商品が長い間そのご家族に受け継がれている事を大切にしています。

創業以来、たくさんの種類の製品を世に送り出してきていますが、
日本のお客様の支持を得ているアイテムは何ですか?

国や地域によって、支持されるアイテムは大きく異なります。ドイツではタオル類、ハンドタオル、大きめのタオル、バスローブなどがメインアイテムになりますが、日本では、ハンカチが売り上げの約3割強を占めています。昨年東京を訪れたとき、日本の女性はバッグに1枚、必ずハンカチを入れているということを知りとても驚き、素晴らしい習慣だと感じました。

日本でのフェイラーの主な購買層をお教えください。

今までは50歳代以上の方が7割以上を占めてきました。しかし最近は、ECや銀座本店において20代から40代のお客様が増え、そのお客様の割合が6割を占めるなど、チャネルにより変化が見られます。フェイラーといえば、黒地に花柄の商品のイメージが強いですが、パステルカラーや花だけでないかわいらしい柄の商品も増やした事にも関係していると考えられます。
Instagramでも、毎月500名前後のフォロワーをコンスタントに獲得し、現在フォロワーは1万名を超えています。その層に「いいね」される柄は水着やヨット、フルーツサンド等従来のフェイラーのイメージではない物への反応が大きく、銀座店やECでも売れる様になっています。また、ギフト用にお買い上げされる方が6割を占めていることもフェイラーの大きな特徴です。

技術者の高い能力と製造技術の進化により、
唯一無二の存在でいられるフェイラー

フェイラーといえばシュニール織ですが、その特長を教えてください。

他のどの織物にもない柔らかい手触りです。その手触りを出すために、なぜそこまでと言われるほど面倒な工程を経ており、一度織った生地を糸状に裁断し、それに撚りをかけてモール糸を作り、横糸として再び織る。特殊な織り方ですが、デザインも2度目に織るときにズレが出ないよう、熟練したスタッフによるチェックと高い技術が必要とされます。
また、フェイラーの製品には「裏面」というものがない。フェイラーのシュニール織は、模様のあるベロア生地とは異なり、プリントされているわけではないのです。そして、フェイラーのシュニール織はドイツ製です。織布から縫製、梱包まで、すべての仕上げ加工はドイツで行っています。もちろん材料であるコットンも大切なポイントです。

【写真】FEILER【写真】FEILER

製品開発において最も大切にしていることは何でしょうか?

高品質な素材から完璧な製品を結果として生み出すため、私たちは機械と製造プロセスを改善し続けています。
技術者・エンジニアたちによって世代を越えて改善され続けてきたシュニール織の機械があるのはフェイラーだけです。こういった絶え間ない投資も、すべては完璧な製品というゴールのためなのです。
時には問題が起こることもありますが、工場のスタッフがすぐに行動を起こして解決します。スタッフたちは会社への忠誠心が高く、そのためにフェイラーは唯一無二のブランドでいられるのです。

ドイツ製品の素晴らしさを証明できる
エコテックス認証

【写真】FEILER

フェイラーの製品は長い間、高い品質を保ってきました。それに加えて、エコテックス認証を取得したのはなぜですか?

ヨーロッパでは、「エコテックス」は有名で、人々は繊維製品にエコテックス認証がついていることを期待しています。
もちろん、気にしない会社もありますが、私たちは気にします。私たちは直接肌に触れる製品を対象に、2つのクラスのエコテックス認証を取得しています。
より厳しい基準値をもつクラスⅠは3歳児以下の子ども向け製品に、クラスⅡはそれ以外のすべての製品に対応しています。

最初にエコテックス認証を取得したのは2014年とのことですが、
なぜこのタイミングでエコテックス認証を取得したのですか?

以前はエコテックス認証の取得に対して必要性を感じていませんでした。なぜなら、ドイツ製品は消費者保護のための厳しい国の基準を遵守しなくてはならなかったからです。消費者からも信頼を得ていました。そのため、エコテックス認証はどちらかと言うとバングラデシュやパキスタンといった国からの輸入繊維製品にとって重要なものだという認識でいました。しかし、エコテックスが世界基準としての認知を高めていくのを目の当たりにして、認証を取得することに決めたのです。

エコテックス認証の取得前と後では、スタッフの皆さんの意識に変化はありましたか?

今では担当者はベビー向け製品に使えるエコテックス基準を満たした素材を懸命に探しています。スタッフはフェイラーがエコテックス認証済みの素材だけを使用していることを誇らしく思っています。

日本では独自にデザイン開発を行っていますが、
エコテックスに関してどのような取り組みを
行っていますか?

日常使いされ、肌に直接触れることの多い商品であるハンカチやタオル類はドイツで生産されているため、全てエコテックス認証済みです。もちろんベビーのスタイもドイツ生産品は認証を得ております。バッグや小物関連商品はドイツで生産したシュニール生地を使用して国内の協力工場にて生産しているので、生地部分が認証を受けているということになります。
ベビーや肌に近いアイテム等などを中心に、今後は国内加工部分も含めてエコテックス認証によってさらなる安心をご提供していければと考えています。

【写真】FEILER

エコテックスに期待することは何ですか?

フェイラーにとって、エコテックスはお客様が製品に対して当然と思っていることの再保証のようなものです。エコテックス認証によって製品の安全性と品質をより確かなものにすれば、お客様には満足いただけると思っています。

日本の消費者の安心・安全または環境への配慮について、
今後どのようになっていくと思いますか?

日本はエコの中でも、リユース、リデュース、リサイクル等、環境や資源に対する意識が高い方がいますが、まだ多くを学ぶ必要がある方もいます。エコテックスの認知も我々認証商品を扱うものがリードして行く事で認知が広がるのではないでしょうか。全体としては少ない非常にレベルの高い層に向けたマーケティング活動は今後も増えていくと思います。

全体として人々の意識は変わってきていると思います。特に日本の方々はご自身の振る舞いや自然環境に対する意識が高いので、購買行動にも反映してくると確信しています。

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【写真】FEILER

今後の展開について、お聞かせください。

大切なのはフェイラーの持つ価値に忠実であることです。スタッフは情熱をもって仕事に取り組み、ブランドを愛しています。お互いをまるで家族のように感じられることは素晴らしいと思います。

我々のビジョンは、『世代を越えた憧れのライフスタイルブランド』になること。
この愛でいっぱいの製品を、さらに広い世代に伝えていくために、ベビー商品を強化し、新たなデザインに加え「エコテックス」という世界トップレベルの安全性をもアピールする事で、大切な赤ちゃんへも安心安全な商品をお届けするフェイラーのイメージをより高めていきたいと思います。