エコテックス国際共同体

INTERVIEW PETIT BATEAU

CEO / Patrick PERGAMENT

vol. 02

顧客とのコミュニケーションについて何か具体的に考えていることはありますか?

とりわけ若い人たちは商品の背景に強い関心を持っています。学校や大学などへ行って話をすると質問の9割は商品がどのように作られているか、どこで作られているかといった内容です。これらは多くの人々、特に小さい子どもを持つ母親にとっては重要な関心事になりつつあると感じます。もちろん私たちは自ら設定した高い目標を達成する取り組みを長きに渡って続けていますが、そのことについて顧客につまびらかに話すことはありませんでした。ただ将来的には、こうした取り組みを伝えるコミュニケーションのあり方が非常に重要になると感じています。またどういう風に伝えていくかについても考えていかなければいけません。

欧州と比べると日本はエコに対する意識が低いと感じますか?

日本と自然の結びつきは非常に強いと感じています。非常に緊密で深い関係があるイメージです。私は日本に住んでいないので、この質問に答えられるだけの十分な情報量を持ち合わせていないのですが、自然と日本人との結びつきはビジネスでも重要な役割を果たしているように見えます。例えば化粧品ブランドを見ても、「ジョンマスターオーガニック」「サボン」「イソップ」など多くのオーガニックブランドがありますよね。こうした自然との結びつきは日本人にとって重要で、今後もより一層強くなっていくのではないでしょうか。また日本人はモノを無駄にしない文化もありますよね。私はそんなに多くの知識があるわけではありませんが、人々と自然の結びつきは他国と似ていると思います。

御社の視点から日本市場の可能性を戦略的にどう捉えていますか?

プチバトーにとって日本は非常に重要な市場です。世界で二番目に大きいマーケットなのでその重要度は言わずもがなです。この5年間で日本での売り上げは2倍に成長しています。今後も日本市場は開拓し続けていきます。 日本人がプチバトーを好きな理由は、歴史、遺産、伝統、クラフツマンシップといった要素と、クリエイティビティー、エネルギー、デザイン、コラボレーションといった要素の掛け合わせのおもしろさを理解していただけているからではないでしょうか。私たちが何かをするとき、例えばパリに戻って商品を考えたり、広告を打ったり、新ショップのコンセプトを考えたりなど、何をするときでも、私たちは最初に日本のことを考えます。日本は私たちにとって非常に重要なのです。なぜなら日本はアバンギャルドな国だからです。洗練されているし、私たちに日本というマーケットがなければおそらくここまで進化できていなかったでしょう。日本のマーケットには私たちがよく理解されているという手ごたえを感じています。また日本は、私たちがモノづくりをする上でのインスピレーションにもなっています。ビジネスだけでなく、文化や着想源としても私たちに重要な国なのです。

エコテックス認証取得後、顧客の反応に変化はありましたか?

変化というよりも、認証取得によって品質の高さが強調されたという表現の方が適切だと思います。こうした認証への消費者の関心度が高まっていることは確かだと思います。今は特に消費者の行動に変化はありませんが、将来的には何らかの変化があると思っています。ただ今のところ消費者が認証を取得した商品に余分なお金を払うという意識はなく、情報がもっとほしいというのが本音のようです。おそらくあと2,3年経てばいろいろと変化して、顧客もブランドにより透明性を求めるようになるのではないでしょうか。

現在ベビーウェア、アンダーウェア、ナイトウェアでエコテックス認証を取得していますが、今後他のカテゴリにも拡大していく予定はありますか?

私たちの商品はすでに認証を得ているものもあれば、すでに認証レベルに達しているものもあり、またクリエイティビティーを維持するために認証取得が難しい商品もあります。例えばクリエイティビティーを追求するほど、品質面でのルールを守ることはより難しくなります。ですから私たちの商品のうちごくわずかなものに関しては、かなり近いレベルまで行っているけれども認証を取得していないというものもあります。ただ多くの商品は認証を得ているか、得るレベルに達しています。私たちは顧客を驚かせなければいけません。その意味で安全性とは少し違った観点から提案している商品もあります。

【vol. 02】製品画像

クリエイティビティーとクオリティーのバランスを取るのは難しい部分ですね。

難しいというよりもエキサイティングなことですよ。

今のプチバトーにとっての高い目標とは何ですか?

非常にたくさんありますが……大きく分けると3つです。まずは、グローバルに成長すること。現在もアジアを中心に国際的に大きく成長中です。日本もそうですが、韓国や中国も強いですね。特に中国は10日に1店舗のペースで新店がオープンしています。中国での展開が始まったのはそんなに昔ではないのですが、成長スピードは著しいですね。私たちにとって、正真正銘のフランス企業からグローバルな企業へと転換を図ることは素晴らしいチャレンジですし、素晴らしい機会です。 2番目は生産に関わるチャレンジです。というのはグローバルに成長すればするほど、状況が異なる顧客に合わせてモノづくりをしなければいけないからです。それぞれの国でその国に合った商品を必要としています。気候が異なれば商品のデリバリー時期も異なります。どう商品を生産していくかを考え直さなくてはいけません。 3番目はもちろんデジタルに関わるチャレンジです。Eコマースはもちろん、オムニチャネルや私たちが強みとしているデジタル面でのコミュニケーションなども含みます。私たちは多くのチャネルを持っています。非常にエキサイティングなことです。

環境問題での課題は何かありますか?

もちろんです。先ほど述べたように、“透明性”の問題は今後何年かで消費者にとって最大の関心事となるでしょう。これはプチバトーだけでなく、すべてのブランドに当てはまることです。よって私たちがどこで生産しているか、どういう風に生産しているか、生産におけるポリシーは何か、などを話せることは非常に重要です。もう一つのチャレンジは、コットンについてです。様々な種類のコットンを購入すること、もしくは糸の段階で購入することが私たちにとっては重要と言えるでしょう。そして社会的責任という観点で言えば、企業としては将来を担う世代を守っていく必要があります。私たちは赤ちゃん向けの商品の品質にはとても気を配っています。それに幼少期は関わる全ての事柄が非常に重要です。だから私たちは美術館でイベントを開催したり、クリエイティビティーを刺激するようなことを考えたりと、フランス式の教育でクリエイティビティーを伸ばす方法を考えているのです。

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プチバトーが目指す将来の姿について教えてください。

先ほども言いましたがグローバルな企業になることですね。ということはつまり将来の世代を守っていくことです。これが私たちの存在意義ともいえます。赤ちゃんや子ども向けの商品の品質をしっかりと守っていくこと。子どもを守り、将来の世代を守り、企業としてグローバルに発展し、世界中の顧客からの要望に素早くこたえること。今は世界がとても大きな変化を遂げていて、将来の顧客はデジタルやソーシャルメディア、オムニチャネルを使いこなします。長い長い伝統を持ちながら、まるでまだ創業して1年かのように新鮮に見えること。幼少期と歴史を併せ持つことを私たちは目標としています。

最後にエコテックスが今年で25周年を迎え”信頼”がテーマとしています。
御社に取って”信頼”とはなんですか?

私たちは企業として“信頼”という価値を世界中に届けています。そしてこの価値をエコテックスとも共有しています。

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